桜空あかねの裏事情



そう言われてしまえばそうなのかも知れない。

――でもそれって、なんだか……。


「お前がどう思っても、オレは隣がいいんだよ!授業も退屈しないし、教科書忘れた時も借りやすいしさ!」

「…そうだね」


それからもあかねと昶は他愛のない話をしていたが、すぐに担任らしき人物が来て全員廊下に出され、二列に並んで体育館に誘導されたのだった。


「入学式かぁ……オレ、寝ちゃうかもな」

「確かに寝そうだね」

「マジ?オレってそんな感じ?」

「うん。そんな感じ」


.