奥の部屋に消えたはずの少女がいつの間にか現れ、そう答えた。
「おいチビ。どういう意味だ?」
「サッキ、チョーホーノオネエチャンカラ、レンラクアッタ。イキノコリハ、オルディネノヤカタニイルッテ」
「へー!あの男んとこの諜報も、なかなかじゃん」
「そうですわね。個人的にはその諜報の方が可哀想でなりませんが」
少女に続いて女も部屋に戻り、聞きたい事があるのか男の方へと向き直る。
「本当に宜しいのですか?先程の男……アロガンテと手を組んでしまっても」
「何故だ?」
「はっきり申し上げますが、あの男……未成年の異能者の売買に関わっていたりなど、ろくな噂を聞きませんわ。他にも恋人らしき女性を、誰にも晒す事なく部屋に閉じ込めて、監禁しているとか」
「カンキ…ムグッ!」
「チビは黙ってろ。でもその女、絶世の美女なんだろ?もしそうなら、分からなくもないけどな」
少女の口を押さえながら青年がそう言えば、壁際にいた女は軽蔑の視線を向けた。
「何を言いますか。恋人とはいえ、尊厳を踏みにじるような行為ですわよ。そんな輩、信用出来ませんわ」
「……確かに気は進まんが、アロガンテには一つ借りがある。取引に応じれば、それきりだ」
「ならその取引とは何ですの?」
「ある者の身柄の確保に協力し、アロガンテに引き渡す事だ」
一枚の写真を取り出して、投げて渡す。
「アー!カワイー♪」
「ある者っつーか…ガキじゃねーか。アロガンテって見境ないんじゃね?」
「……幸いな事に、その者は一般の学校に通っている」
「ジャア、ホウカゴガラッキーチャンスダネ!」
少女は目を輝かせてはしゃげは、青年は若干呆れている。
「ガキの方はそれでいいけどよ、あの男はどうすんだ?オルディネの連中がどんな奴かは知らねーが、ジョエルや菊地の坊ちゃんは一筋縄じゃいかねーだろ」
「ああ。考えてはある……指示があるまで動くなよ」
「わーってるっての。心配すんなって。アンタの言う事は聞くからよ」
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