「昶が君の事を、物事をはっきり言う肝の据わったちょっと変わった可愛い女の子って言っててさ」
「おい!変わったは余計だ!」
昶が慌てて一条につっこむが、そんな事はどうでも良かった。
「大人しそうに見えるけどなぁ」
「じゃあそうなんじゃない」
あかねは面倒そうに一条に言う。
「アンタがそう思うのならそれでいいんじゃない。人によって印象なんてのそれぞれだし。というかあんまりジロジロ見ないでくれる?あんまり好きじゃないから」
「あ、あかね」
棘のある発言に気付いたのか、昶はあたふたと慌て始める。
その反面、一条はあかねを見つめたまま唖然としていて、しばらくしてようやく口を開いた。
「前言撤回。昶の言う通り変わった女子だ」
「だから変わったとか言うな!」
焦っている昶を無視して、一条は腕組みしているあかねに近付き目の前で手を合わせた。
「ジロジロ見てすまん!ちょっとした好奇心だ!許してくれ!」
「分かってくれたならいいよ」
その言葉に一条は反省の表情から笑顔になる。
「ありがとな。んじゃ改めて、俺は一条遊心!クラスは1組な。聞いたと思うけど、寮住みで昶の隣なんだ。よろしくな!」
「こちらこそ。私は桜空あかね。昶から色々聞いてるみたいだから説明は省くね」
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