陸人の推理に結祈は唖然としながらも、なんとか言葉を紡ぐ。
「……まさか。いくらアーネストさんでもそんな事」
「どうかなぁ?あかねちゃんをリーデルにする事に一枚噛んでるなら、有り得ない話じゃないよ」
理が適っている言い分に、思案するように押し黙る。
そして暫しの沈黙の後、再び口を開く。
「……仮にそうだとしても、命を狙われている方です。そう容易に信頼を得ることは難しいかと思いますが」
「もちろん、アーネストだってそれは分かってるさ」
執拗に狙われ、いつ殺されても不思議ではない状況の中で生きているなら、恐怖を抱くどころか自身を守る為、他者に対して疑い深くなり懐疑的な性格になるのも無理はない。
「まぁそこはリーデル候補のあかねちゃん次第ってことでー、任せてるんだよー」
自分の推論を言い終わると、反応が気になって結祈を見る。
予想とは少し違って、彼はどこか浮かない顔をしていた。
「なになにー?納得いかないー?」
陸人の問い掛けに、結祈は首を振る。
そして。
「いえ。ただ…自分は少し心配で」
伏せ見がちにそう答えた。
「そのような方なら、どのような方が相手であれ聞く耳を持つかどうか。その上、危害が及ぶ可能性も十分ありますので」
その言葉に心配しているのは生き残りの事ではなく、あかねの事であると理解する。
結局のところ、結祈は彼女に何かあれば極端にそれを嫌がり、何も無ければそれでいいのだ。
「それもそうだけどねー……少なくとも、アーネストは確信してるんでしょ。彼女が生き残りさんの信頼を得て、納得させた形でオルディネに所属させる事が出来るって」
まるで占者のような先見の明を持つアーネストに、驚きや感心を抱くどころか不気味にさえ感じる。
「その自信が一体どっから来るのか、ボクにはこれっぽちも分かんないんだけどねー」
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