昶を呼ぶ声が廊下から聞こえた。
振り向けば、黒髪の少年がこちらに向かって走ってきていた。
「お、一条か!あかね、紹介しとく。コイツがオレの部屋の隣の一条だ」
「なになに?ん、女子じゃん!もしかして彼女!?」
軽いノリでこの場に現れた一条と呼ばれた少年は、割り込むように間に入って品定めをするように上から下まであかねを見た。
「ロリ系ブルーアイズ!磨けば光る天然素材ってヤツですな!いい子掴まえちゃって、香住もなかなかやるじゃん!」
「ちげーよ!ダチだから!な、あかね」
「うん」
若干慌てながらも同意を求める昶に、あかねは頷く。
しかし何を思ったのか一条は眉を顰めた。
「あかね?……あ、もしかして香住が言ってた例の子?」
「そうだよ」
昶の言葉に目を丸くして、一条は再び上から下まで見やる。
その表情は次第と思案するようになっていた。
「とてもそうは見えないけどな〜」
「……何が?」
納得していないのか一条は舐めるような視線に、あかねは次第に耐えきれなくなってきて徐々に不満と苛立ちを覚え、不愉快さを言葉に込める。
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