桜空あかねの裏事情


諫めるような物言いが気に食わなかったのか、ふて腐れる昶。
その子供染みた姿に、ジョエルは口元に笑みを浮かべる。


「折角の機会だ。私の部屋でポーカーでもするか」

「え……まじ?」


突然の提案に、昶はあからさまに驚愕した顔を向ける。
その様子に何故だか面白くなって、ジョエルは更に笑みを零す。


「ククッ……何か可笑しいか?」

「可笑しいつーか、オレなんかの相手出来んの?」


今度は訝しげにこちらを見る昶に対し、ジョエルは鼻で笑った。


「よく勘違いされるが、私はこう見えて父親だった時期もある。子供の相手など容易い」

「ぇえ!?マジ!?いつ!?そこんとこ詳しく!!」

さり気なく告げられた事実に、昶は先程よりも驚きつつ、ジョエルに食い付く。


「勝てたら教えてもいい」

「乗った!勝ったら絶対教えろよ!」

「いいとも。その代わり私が勝ったら、朔姫を好きになった経緯を教えてもらうぞ」

「おう!どんとこい!」


屈託のない笑みを見せる昶。
ジョエルはその単純さに若干呆れながらも自室へ足を進めた。


.