桜空あかねの裏事情


黎明館 三階



食堂を後にして、足早に三階まで駆け上がってあかねの部屋の前まで辿り着く。

「おーい、あかねー」


いつもなら構わずに部屋に入る昶だが、結祈の反応からして何かあったのは確かなので、敢えてノックをした。
初めは何の反応も無かったが、再度叩けばドアが僅かに開いた。


「あか――」

「何だ?」

「え、ジョエル?」


予想すらしてなかった人物が出てきて、昶は唖然とする。


「騒々しいから出てみたものの……君は出掛けたのではなかったか?」

「そうだけど……ってか何でジョエルがいんだよ。あかねは?」

「生憎だが、お嬢さんは寝ている。しばらく起きないだろう」


僅かに背後を振り向くジョエルに、ここからでは姿は確認できないが、昶は部屋にあかねがいる事を確認する。


「それって……槐ってヤツが関係してるよな」

「ああ。お嬢さんから聞いたのか?」

「少しだけどな。そう言うジョエルも?」

「先程な」

「ふーん。ま、どうせ聞かなくても知ってたんだろ?」

何気なく言った言葉に、ジョエルは僅かに反応を示す。


「何故そう思う?」

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