桜空あかねの裏事情


自分で語っている内にまた目許が熱くなり、あかねは近くに置かれていたクッションを抱き締める。


「なんだか私って、すごくあやふや。娘とは名ばかりで、血の繋がりのないあの子の方が本当の親子らしく見える。ここでも、リーデル候補とは名ばかりで、事実部外者だし」

「確かに君はリーデルでもなく、オルディネ所属の異能者でもない部外者だ。だが関係者であることも事実……ここでもそう感じるのか?」


ジョエルの静かな問いに、あかねはゆっくり首を横に振る。


「歯痒いなぁと思うことはあるけど、ここには昶に山川さん、結祈、ギネヴィアさん、陸人さん、葛城さん、そしてジョエルがいる。それにアーネストさんだって。こんなあやふやな私を支えてくれる人達だもの。そんな風に思った事なんて一度もないよ」


穏やかな笑みで言い切ったあかねを見て、ジョエルは安心するかのように僅かに目を細める。


「ならば問題ない」

「え?」

「少なくとも君には、心寄り添える信頼出来る相手がいるのだろう」

「うん。でも……」


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