泣きながらもあかねはそうはっきり告げると、これ以上見られたくないのか再び下を向く。
ジョエルならば一度突き放して拒否すれば、興味なさげに皮肉の一言、二言浴びせ去って行くだろうとあかねは思っていた。
だが予想とは裏腹に、ジョエルは一向にその手を離すことなく、ただ黙って様子を見ているだけであった。
それからもジョエルは様子を見て動向を伺っていたが、一向に変わらないあかねの態度に今度は溜め息を吐いた。
「……確かに、私には関係ない事だ」
ジョエルは独りでに呟く。
「とは言え、この大切な時期に一人で抱え込んで支障が出たら困る」
「別に…っ……オルディネは、関係…ない」
「原因はどうであれ、今の君の状態で言われても説得力に欠ける」
最もな意見に、あかねは何も反論出来ず黙り込む。
「まぁいい。とりあえず君の部屋に行こう。結祈に見つかったら面倒だからな」
「……私の、部屋?」
「話したくないなら結構だが、愚痴ぐらいなら聞いてやっても構わない。仮にも君の保護者だ」
意外な対応に、あかねは不思議に思いジョエルを見上げる。
普段皮肉な笑みを浮かべているその表情は、至って真剣な様子だった。
「どうする?お嬢さん」
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