若干引きながらも、言葉は交わす昶。
ふと端に人影が見えて振り向けば、こちらを睨みつけてるように伺っている眼鏡を掛けた男子がいた。
――目つき悪。
――あかねがいたらメガネとか言いそう。
その男子を見ていると、気付いた瀬々が声を掛けた。
「あ、葉風っち。今日はあかねっちはいないッスよ」
「そうか」
一言答えると、葉風と言われた男子は店から出て行った。
その一連の様子を見終わった後、昶は瀬々に尋ねた。
「誰?」
「葉風っち。俺達の隣のクラスの奴で、あかねっちに用があったみたいッスよ」
「へぇ……」
「ちなみに俺達側だったりしちゃって」
「え?」
振り返る昶と同時に、瀬々はようやく離れる。
「まぁそんな事はいいんスけど、何で昶っちはそんなに落ち込んでるんスか?」
先程とは打って変わって、瀬々は声のトーンを下げてそう尋ねてきた。
やはり気付かれていたらしい。
「あかねっちがいないだけなら、そんなにならないッスよね?」
「別に大した事じゃ……」
はぐらかそうとするものの顔が引き攣る。
情報屋としての部分を出す時の瀬々は、いつもと変わらないはずの笑顔なのに恐ろしいと感じる。
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