「なんて言ってて」
あかねがそう言うものの、結祈は予想していたのか終始笑顔だった。
「昨日も一昨日もそうでしたからね。やはり予め準備しておいて正解でした」
「お!って事は!」
その言葉に、昶が身を乗り出す。
「はい。用意は出来ています。ただ時間がなかったので、サンドイッチなど軽食程度になってしまいましたが」
「いやいやいや!あるなら全然オッケー!さっすが結祈だぜ!」
言うが早く、昶は意気揚々と食堂へと向かって行く。
その様子を見ていたジョエルは、嘲笑のように鼻で笑った。
「フッ…相変わらず、君の友人は単純だな」
「そこも昶の良いところだよ」
ジョエルの言葉にすかさず言い返すと、次に玄関にいる朔姫に声を掛ける。
「山川さん、お帰り!」
「あ……ただいま」
いきなり声を掛けられ所為か、少し驚きの表情を見せる朔姫。
そんな彼女を変わらず笑顔で迎えるあかねだが、不意に視線を感じて見上げると、彼女の隣に立っている女性と目が合う。
落ち着きある佇まいに微笑みを浮かべ、自分達を見ていた。
「こんにちは」
何も言わずただ見ているだけでは失礼かと思い、その女性に軽く頭を下げる。
女性の方も変わらず微笑んだまま、軽く会釈をする。
.

