――――― 「助けて差し上げましょうか?」 「――え」 気が抜けてしまうのではないかと思う程に、穏やかで艶のある声が聞こえて、男はゆっくりと体を動かす。 「見つけてしまったのも、何かのご縁でしょうから」 微笑みながら近付いてくるその人物は……― 「生きるか死ぬかは、貴方次第ですけれど」 この出会いが ただの偶然ではない事を まだ誰も知らない .