「………」
一部始終を話せば、陸人は無言になった。
「ジョエルが言ってたこと。その時は理解出来なかったし、いつもの皮肉かと思ってたけど……あの子見てなんとなくよ?なんとなく、分かった気がするのよね」
口を閉ざす彼の様子を気にしながらも、思った事を淡々と告げれば、陸人は盛大な溜め息をついた。
「ハァ………ギネヴィアはまだしも、あの男に言われるなんて、マジ心外」
毒を吐くような物言いに乾いた笑いを零すと、陸人はむくりと起き上がる。
怒っているのかと、ギネヴィアは気になり表情を伺おうと体を屈ませようとした。
「その通りだよ」
陸人の言葉に体が止まる。
「新しいリーデルとかジョエルのクソ野郎の事とか……ぶっちゃけ今は、どうでもいい」
「何かあったの?」
単刀直入で聞いたが、沈黙を貫くばかりで一向に語ろうとしない。
少し経ってから、ようやく決心がついたのか話し始めた。
「実家に帰る2日ぐらい前にさ……義姉さんから電話があったんだ。本人は元気に話してるつもりだったんだろうけど、僕には今にも泣きそうな声に聞こえた」
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