いたたまれなくなったのか、赤髪の義姉は陸人の言葉さえ聞く耳を持たず、軽く頭を下げると小走りで部屋から去って行った。
「今の人が、前にアンタがベタ褒めしてた義理のお姉さん?」
「そうだよ。綺麗でしょ」
嬉しそうに語り始める陸人を横目に、彼女が去って行った廊下を見る。
気を遣わせてしまった事を悪いと思いながらも、ギネヴィアはこの機を逃すまいと口を開く。
「ねぇ」
「んー?」
「アタシが何でここにいるか分かる?」
「そんなの、ジョエルに言われたからでしょー?分かるよ。月一の会議までスルーしちゃったから、黙ってないとは思ってたし」
自覚はしてたようで、どうやら堕落的な生活を送っていたわけではないらしい。
そんな彼に半ば呆れながら、やや関心もしている。
「そう言えば、あかねちゃんはどうなった?」
「頑張ってるわよ。二人も集めたわ」
「へー……思ったよりやるじゃん。桜のお姫様」
寝転んで挑発的な笑みを浮かべながら、彼はそう言った。
しかし、そこから本心を読み取る事は出来ない。
「ボクもいい加減、気に食わないとか駄々こねてばっかじゃいけないかぁ。そろそろ」
「……本当にそうなわけ?」
「えー?」
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