出会ってから遠慮することなく、話し掛けてきたあかね。
中学時代、同年の女子から嫌がらせを受けていた朔姫からすれば、異色な存在だった。
彼女を伝って昶や瀬々などとも知り合えた。
感謝しているし、友人だと仲間だと認識している自分がいるのも朔姫は分かっていた。
だが何故かそれだけではない気がするのだ。
「その様子だと、半々ってとこッスかね?」
「……どうかしら。今初めて彼女の事を深く考えてみたから、よく分からないわ」
「ふーん。なら当ててあげよっか?」
胸を突き刺すような言葉に、朔姫は肯定も拒否もする事なく沈黙する。
それを肯定と取った瀬々は、口元に笑みを浮かべて話し出す。
「あかねっちの事は単純に友達だと思っている。でも他の事を含めて考えると、何故か素直に認められない。要は友達と思っても仲間とは思ってないんスよ」
「ッ」
朔姫は思わず息を呑む。
「山川さんはそこんとこ鈍感そうッスから言っちゃいますけど、桜空さんの事嫌いではないけど気に食わないっしょ?」
「…そんなことないわ」
「だって一定の距離を保って接してるし」
「それは……彼女は近い先、オルディネのリーデルになるかも知れない。だから」
「公正な判断をしたい……ッスね?」
自分の意志を簡潔に纏めた瀬々に、朔姫はただ頷く。
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