言葉の攻防戦は続くものの、一通りの話が終わる。
一段落して、あかね達は注文した料理や飲み物を飲食しつつ、談笑しながら過ごしていた。
それからしばらくして、店内の奥から数人の足音が聞こえてきた。
「あっかねー!」
「うわっ」
振り返ろうとした瞬間、聞き慣れた声が聞こえたと同時に、背後から思い切り抱きつかれる。
反動で体制が前屈みになり、額がグラスに当たりそうになる。
「ちょっ……重いんだけど!」
「会いたかったぜあかね。熱い抱擁とキッスを!」
「だが断る!」
近付いてくる昶の顔を手で抑えて、容赦なく突き放す。
「ちぇ……つれねーな。こっちは話が長過ぎて、死んじまうところだったってのに!」
「そりゃ良かったね」
「良くないから!話聞いてた!?」
「聞いてる。お疲れ様」
昶に労りの言葉を掛ければ、少し気分を良くしたのか嬉しそうに左隣に座った。
彼に次いで奥から現れた駿や朔姫の姿を見つけ、彼等に向けて声を掛ける。
「山川さんも葛城さんも、お疲れ様です」
「ありがとう。でも、いつもの事だから」
朔姫にとって差して大したことではないのか、淡々とそう答える。
「そっか。葛城さんは?」
「確かに長かったが、昶が寝そうになるのが気掛かりで仕方なかった」
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