桜空あかねの裏事情


「うん。そうだね」

「どういう事ですか?」


瀬々と同じように、苦笑しながら肯定したアーネストにも尋ねれば、彼は濁すことなく理由を話始める。


「瀬々くんが話した通り、このプラティアは六つの区域に分かれるんだけど、その中でも第五、第六区は危険区域と指定されてるんだ」

「つまり危険地帯って事ですか?」


聞き返せばアーネストは静かに頷く。


「簡単に言えばね。第六区はまだしも第五区は、私やジョエルでさえ用がない限り足を踏み入れる事はないんだ」


告げられた事実にあかねは驚く。
特にジョエルはあちらこちらで名を聞く異能者だ。
そんな彼さえ立ち寄らないのなら、余程危険な場所なのだろう。
となると、一つ疑問が思い浮かぶ。


「アーネストさんやジョエルが危険だと判断する場所に、どうしてその人はいるんだろ?」

「それは分からないッスけど……多分、家があるとか?まぁ大した理由じゃないと思うッスよ」

「……」


憶測で語る瀬々の言葉は意外にも耳に入る。
しかしどことなく腑に落ちなかった。


「とにかく!その人に会いたかったらジョエルさんを説得するッス」

「えー……こっそり行けば」

「絶対駄目ッスよ!!」


.