「唯一って……他の人は、まさか」
「お察しの通りッス。と言っても、現時点での話ッスけどね」
「……」
生き残りと聞いた時点で、ある程度の事は覚悟していたが、その異能者は惨劇と呼ばれる抗争の中で、仲間の死に直面した事だろう。
また自らも危険に瀕しながらも、今日まで生きている。
きっと能力だけでなく、心も強い人なのだろう。
そう思うと同時に、そんな人が易々と所属してくれるはずはないと直感した。
「俺の先輩はその人に会った事あるみたいッスけど、気さくな人だって話を聞きやした。よく第五区に出没するみたいッス」
「第五区?」
「このプラティアって空間は、全部で六つに分かれてるんス」
「初耳」
「ちなみにここヴィオレットは第一区で、藍猫があるのは第三区ッス」
「そうなんだ」
プラティアに訪れたのは、ほんの数回。
このヴィオレットに行く時だけだった。
加えていつもジョエルかアーネストに連れて行ってもらった為、あかねはこの空間の構造など知る由も無かった。
「じゃあそ第五区に行けば会えるんだよね?その人に」
「運が良ければね。でも多分……無理ッスよ」
「何で?」
苦笑しながら断定する瀬々に、あかねは聞き返す。
「それは……んー。アーネストさんのが知ってると思うッス」
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