桜空あかねの裏事情


異能者である以上は、普通を求めることはしないし、過度な期待もそこまでしてなかった。
しかしだからと言って、これはある種の一線を超えているような気がしてならない。
そしてこの中に、オルディネの力となる人物の情報はあるのだろうかと。


「さぁあかねっち!どれにするッスか?」

「え、あーそのー……」


掲示された情報から未だに選ぶ事が出来ず、迷いを悟られないように軽く言葉を濁す。
その時だった。


『その三択なら、最後のをお勧めするよ』


「っ――」


頭に直接響く声。
突然聞こえた誰とも知れぬその声に、戸惑いを隠せない。


「あかねっち?」


何かを感じたのか、不思議そうに様子を伺う瀬々を余所に、その声は間髪入れずに響いてくる。


『ああ、ごめんね。迷ってるあかね嬢があまりにも可愛らしくて、つい口が滑ってしまった』


――あかね嬢?まさか。


ハッと気付いたように正面に座るアーネストを見遣れば、肯定するように口元に笑みを浮かべるだけで、口を開くことはなかった。
恐らく黙っておけと言うことなのだろう。


「どうかしたんスか?」

「……ううん。少し迷ってただけ。それじゃあ生き残った異能者の話を聞こうかな」

「了解ッス。生き残った異能者つーのはッスね……」


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