「お…俺は、ソイツに昔の話をしてただけだ!余計な口出しするな!!」
「ふーん。で、自分の意見に賛同してくれなかったから、手をあげようとしたわけッスか」
瀬々は一人納得したように頷けば、あかねが手に持っていた水洗いした野菜が入ったビニール袋を代わりに持ち、彼女に声を掛けた。
「行こう。山川さんを待たせてるんだ」
「待てよ!まだ話は終わってない!勝手な真似すんな!」
「じゃあ話す?今度は俺と………あぁ、彼も交えて」
怒鳴りながら制止する沢田に瀬々は笑みを絶やさず、横に視線を移す。
それを辿るようにあかねも視線を移せば、今日会えず仕舞だった誰よりも話したかった人物がそこに立っていた。
「昶…」
「……あかね」
思わず名前を呼べば、昶もまた呼び返すが、後ろめたいのか目が合うと気まずそうに目を逸らされる。
「……それで?どうします?」
そんな二人を気に掛ける事もなく、挑発する言動に沢田は怒りに顔を真っ赤にしながら、ひたすら睨み付ける。
瀬々は臆するどころか、余裕の笑みすら見せて視線を受け止めている。
「………チッ。もういいッ!!」
しばらくの睨み合いの末、忌々しげに踵を返し、沢田は荒々しくその場を去っていった。
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