「アイツは俺から離れようとした!親友だったのに!裏切ったんだよ!」
「バカみたい」
「なんだと?」
「だってそうでしょ。知ってる?他人を貶すのは同時に自分を貶してるのと同じ事なんだって。つまり人は他人の事を言う時、自分の事を話してるってこと」
あかねは決して視線を逸らずに、沢田を捉える。
「裏切ったのは、アンタでしょ?」
核心を突くような問いに、沢田の瞳は大きく揺らぐ。
明らかな動揺だった。
「っ…ざけんなッ!!少し話を聞いたくらいで俺達の何が分かる!」
「分からないよ。当時のアンタ達を私は知らないし」
憤る沢田に対し、あくまで冷静に答えるあかね。
だが内心は、少しずつ込み上げる怒りを抑えていた。
「でもこれだけは分かった。アンタは昶個人じゃなくて、異能者としての昶しか見てなかったってこと」
「昶は異能者だろ!」
「一人の人間だよ!」
両者とも一歩も譲らない主張。
互いを睨みながら、しばらく緊迫した沈黙が続く。
ようやく痺れを切らしたかのように口を開いたのは、あかねだった。
「はぁ……それにしても、私の知らない昶の話って言うから、てっきり昶の恥ずかしい黒歴史とか初恋話かと思ってたのに。こんな独り善がりな話だったとはね。正直、損した気分」
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