「何ですって!?」
アーネストのさり気ない一言で、火蓋は切り落とされる。
「アンタねぇ!さっきから黙っていれば偉そうに!アンタが今まで何人もの女を泣かせてきたか知ってるんだから!」
「泣かせてきたとは人聞き悪い。みんな同意の上さ」
「嘘付け!!」
「ぎ、ギネヴィアさん……」
今にも掴み掛かりそうなギネヴィアに、戸惑いなからも朔姫は声を掛けるが聞こえておらず、ただ空虚に過ぎる。
「全く。醜態を晒して何が楽しいんだか……私には理解出来んな」
いつの間にか奥に避難していたジョエルは、呆れた声色でそう呟きながら空いていた椅子に腰掛ける。
「アンタには関係ないでしょう!」
届いていたのか、ギネヴィアは振り返って怒鳴りつける。
「確かに関係はない……いいか朔姫。お前はあのような見た目は取り繕っているが、中身は大層残念な大人にはなるな。あれは一種の弊害だ」
「……善処はします」
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