「俺と少し話さない?」
「結構よ。私暇じゃないの。それにアンタと話す事なんてない」
沢田に向かって、あかねはあからさまに嫌悪を向ける。
もちろん、彼に何かされたわけではない。
昶と彼の間に何があったのかも知らない。
だがダチと呼べる大切な人が、あれほどまで怯えていたのだから、警戒するに越したことはないと思っているのだ。
その様子に沢田は乾いた笑い声を響かせる。
「ははっ……随分と嫌われてるな俺。そんなに昶が大切なわけ?」
「当然。昶は私のダチなんだから」
「当然か……」
言葉を繰り返す沢田。
その表情はやや歪んで悲しげであり、どこか恨めしそうにも感じられた。
「昶の昔も、中学の頃も知らないのに、何でそう言えるわけ?」
「は?」
唐突な質問に、あかねは怪訝な表情を浮かべる。
そんな事にも構わずに、沢田はさらに話し続ける。
「俺は昶は小さい頃から、何をするにも一緒だった。君よりアイツの事をずっと知ってる」
「だから何?自慢したいなら他を当たって」
あかねは警戒と苛立ちを含み、辛辣な物言いで言葉を浴びせる。
一方の沢田は余裕の笑みすら浮かべている。
「教えてあげるよ。君の知らない昶をさ」
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