「私はそんな事気にしない」
昶に何があったとしても、自分が見てきた信じてきた昶と変わらなければ、多少の変化なんて些細な事だ。
例え本質そのものが変わって、自分が信じている昶がいなくなったとしても。
彼という存在がいて再び分かり合えるなら、あかねはそれでもいいと思えるぐらいだ。
「私は……昶の事を私自身が見てきた分しか知らない」
それでも。と言葉を足す。
「信じる事が出来たから。だから昶に何があったとしても、信じる事は出来ると思うし見捨てたりなんか絶対しない」
はっきりと自分の意志を口にすれば、瀬々は優しく笑う。
「桜空さんは強いね。流石は次期リーデルさん」
「そんな事ない。私だって怖い事や不安な事、いくらでもある」
母との事もそうだが、今は何よりこのまま昶と話す事もなく離れてしまうのではないかと思うと、あかねは酷く恐ろしく、そして心苦しく感じた。
「なんだか香住くんが羨ましいッスよ。こんなに無条件に想ってくれる友達がいるなんてさ」
「瀬々にもきっと出来るよ」
「じゃあ桜空さんがなってくれる?」
「それはどうかな」
「そこはイエスって言うんスよー!」
「あははっ!」
二人は互いに笑い合う。
「とりあえず今は、食材探しを優先するッス。買い忘れとかあったら、山川さんに怒られそうスから」
「そうだね」
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