桜空あかねの裏事情




「準備班は外に集合!調理班は早くバス乗れー!」


午前中は自学自習。
その後は昼食を食べて三十分間の休憩が過ぎれば、途端に騒がしくなった。
午後はこの林間学校の目玉とも言える行事、飯盒炊爨とキャンプファイアーがあるからだ。


「瀬々ー。どこ行ったー」

「ここッスー。あ、ちょい待って」


同じ調理班である瀬々を探す。
すると少し離れた場所で手を振りながら、さり気なく朔姫からメモ用紙を貰う彼の姿があった。


「遅くなってすんません」

「大丈夫。先生がうるさいだけだし……その紙は?」

「山川さんから。なんかカレーの材料が書いてあるっぽい」


渡された紙を見ると、朔姫の筆跡ではない、カレーの材料及び調理の方法が丁寧にきめ細かく書かれていた。



「すごい細かく書いてあるんスけど、心当たりある?」

「あー…一応」


こんな風に世話を焼くのは、恐らく結祈以外にいないだろう。
というより朔姫に渡してる時点で確定な気がした。



「桜空さーん!瀬々くーん!早く乗ってー!」

「あ、直江ちゃんが呼んでる」

「んじゃ行きますか」



担任の呼ぶ声に従って、二人は走ってバスに乗り込んだ。


.