桜空あかねの裏事情


部屋を出て階段を降りロビーに行けば、少し奥に賑やかに会話をしている女子の集団を見つけた。
瀬々が言ってた集団だろうか。
だがその付近にあかねの姿は見当たらない。
と思った瞬間、その少し離れた場所に休憩所のような空間を見つける。
その場所にも数人の女子達がいて、楽しげに何か話している。
そしてその隣に設置されているマッサージ機に、あかねは目を閉じて座っていた。
確かにだらけている。
しばらく様子を見ていると、近くにいた女子が昶の存在に気付いたのか、あかねに声を掛ける。


「桜空さん。香住くんが来てるよ」

「んー……もうちょっと…待って」


そう言いながら一向に目を開けない彼女に、声を掛けた女子は苦笑している。


「何やってんだお前は」


気の毒になって近付いて直接声を掛ければ、マッサージ機から音が聞こえる。
どうやら最中のようだが、これではまるで観光客だ。


「何って…マッサージ。気持ちいいよ〜」

「それは分かる」

「昶もやれば?」

「いや、いい」


断ればあかねは瞼をうっすらと開けて、リモコンを持ってボタンを押す。
完全に音が聞こえなくなると、あかねはむくりと起き上がった。


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