他人に気を遣い過ぎて、なかなか自分の意見を言えないこの性格を、あかねは知っている。
それでもそんな事はどうでもいいと言わんばかりに、変わらず接してくれて、時には意見を尊重してくれる。
今まで出会った誰より居心地の良い相手だ。
というよりかは、素の自分でいられるというのが正しいのかも知れない。
どちらにせよ、昶にとってあかねが大切なダチである事には変わりない。
そう思っていた。
あの男に指摘されるまでは。
裏切られる事。
正直に言えば怖い。
でもあかねはそんな事しないと思えるし、信じてる。
だから隣にいられて、ダチでいられる。
けれど。
――それはただ、
――あかねに依存しているだけじゃないのか。
ジョエルの問いに今も答えられない昶は、少しずつそう思うようになっていた。
そんな気持ちを抱いたまま、あかねと会う事は自分自身が許せなくて、今朝は敢えて避けていた。
最終的にあかね本人がやってきてしまったので、無駄に終わったが。
楽しいはずだった林間学校も、今や憂鬱過ぎるものになっている。
しばらく画面を見つめていた昶は、新規メールを作成する。
宛先はもちろんあかねだった。
だが生憎な事に、適当な文章が思いつかない。
仕方なく諦めて、携帯を閉じて布団に投げ捨てた。
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