桜空あかねの裏事情


夕食を食べ終わると四人はそれぞれ部屋に戻り、温泉に入ったり、友達と雑談したりと思い思いの時を過ごしていた。



「桜空さん。今からお風呂に行くんだけど、一緒に行かない?」


同室の生徒が畳に寝そべるあかねに声を掛ける。


「え、いいの?」

「もちろん!むしろ大歓迎!あたし、桜空さんと話してみたかったし」

「なら行こうかな……あ、でも」


あかねは視線を泳がしながら、口ごもる。
夕食から部屋に戻った時には確かにいたのだが、気付くといつの間にか朔姫の姿が見当たらなくなっていたのだ。


「山川さんならさっき美咲ちゃんと売店に行くって言ってたよ」

「あ、そうだったっけ?」

「うん」


様子から察したのか、朔姫がいない経緯を告げられる。
どうやら話を聞いてなかったのは自分らしく、あかねは起き上がって、速やかに入浴の準備をする。
結祈がきちんとまとめて用意してくれていたお陰で、そんなに時間が掛からなかった。


「お待たせしましたー!」

「ふふ。じゃあ行こう」

「はーい。あ、鍵は?」

「あるよ。もう一つは美咲ちゃんが持ってるから大丈夫」



.