桜空あかねの裏事情


二時間後



「ひゃっほう!メシだメシ!」

「美味しそうね」

「そうだね」


朔姫の会話を合わせながら、あかねは向かい正面に座る昶をさり気なく見遣る。
普段と変わった様子は見られない。
瀬々も何もないだろうと言っていたので、考え過ぎなのかも知れない。


「香住くん、食べっぷりがいいッスね。良かったらこの茶碗蒸しどうぞ」

「マジ?サンキューな!」

「私も煮物あげる」

「や、山川さん……!オレすっごく嬉しい!」

「んじゃあ私も漬け物を」

「おう!……って、あかねのは苦手なヤツだろ!」


一度は受け取るものの、昶は弾くように小鉢を返す。


「ちぇー……そのまま受け取れよ」

「いやいや!オレはお前の残飯処理係じゃねぇから!!それに漬け物はそんなに…」

「なら漬け物は俺っちが貰うよ」


横でやりとりを見ていた瀬々が、さり気なく漬け物が入った小鉢を取って食べ始める。


「ありがと瀬々。恩に着るよ」

「いえいえ。トモダチですからお気になさらずー」

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