荷物を受け取ると、あかねは昶達と別れて朔姫と共に部屋へと向かう。
建物は旅館のようで、入ればそこで働く従業員達が生徒達を出迎えている。
「思ったより凄いかも」
「ええ」
建物の外観と内観の懸隔に思わず呟くと、隣にいた朔姫も同じ事を思っていたのか、賛同するように頷く。
華美な装飾ではないにしろその落ち着いた雰囲気に、どことなく黎明館を思い出させる。
「女子は三階って言ってたけど、エレベーターとかあるよね?」
「あるとは思うけれど、使えるかは分からないわ」
朔姫が指を指した先には自主的なのか先導的なのか、生徒達が階段を登っている姿があった。
「うわぁ」
「持てない荷物じゃないし、私は階段でも構わないけど…」
混み合った状況を見ても、特に異を唱えることもせず不満を述べない彼女の真面目さが窺える。
そんな彼女を横目に、あかねは壁に飾られてある旅館の案内図を見上げる。
「あっちに行こう」
あかねは生徒達群がる場所より、更に奥の方を指す。
「何かあるの?」
「うん。多分バレないっしょ」
「?」
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