「承知致しました。それから」
「まだあるのか」
言葉を続ける結祈に、ジョエルは面倒くさそうに聞き返せば、返ってきたのは溜め息だった。
「現在、このチームの責任者は貴方ですので」
「責任者ね。なんともはた迷惑な役職だ。それで?」
「はい。その……陸人さんの件はどう致しますか?」
ジョエルは久しぶりにその名を耳にする。
陸人とは以前から険悪な空気が流れていたが、先日の一件により、彼はついに実家に帰ってしまっていた。
いがみ合うこともなく、顔を合わせることもなかった為、ここ数日見掛けない間で関心さえ無くしたかのように、眼中になかった。
「しばらく放置しておくつもりだが」
「宜しいのですか?」
「ああ。あれに構っている暇はないのでな。それに注意して考えを改めるほど、大人ではないだろう」
「はぁ……それは確かに否めませんが」
否定することはないが、どことなく納得しない結祈。
ジョエルは気にとめることもなく、というより既に違う事を考えていた。
「言い忘れていたが、二階の空き部屋を一室……いや、二室掃除しておけ」
「二室、ですか。それは構いませんが、どなたかいらっしゃるのですか?」
「ああ。お嬢さんが探してきた新たな異能者がな」
.

