桜空あかねの裏事情


「あ!桜空さん、おはよう!」

「おはよー」

「あれ?香住くんは?」

「探し中」

「へぇ〜珍しいね」

「でしょー」

「香住なら、さっきあっちの方にいたぜ」

「まじか。ありがとー!」


出会ったクラスメート達と話しながら、昶の姿を探すが、なかなか見つけられずにいた。


「…む。今日は縁がないのか」


それからも手広く探したが、なかなか会えずにいる事にあかねは僅かながら困惑していた。
朔姫達のところに戻ろうか考えていると、ふと見覚えのある姿が視界に映る。


「あれは……」


後ろ姿だが、間違いないだろう。
走ってその人物に近付く。


「ねぇ」


至近距離で声を掛けると、男子生徒はすぐに振り返る。
その顔は間違いなく見覚えがあった。


「お嬢!」


あかねの姿を見て男子生徒は驚き、一部で呼ばれてるあだ名を口にする。
その呼び名に目の前の男子生徒が、寮生であると確信する。


「ねぇ、昶知らない?」

「え?香住?さっきまで一緒にいたけど、どっか行った」

「そう……」


どうやら入れ違いらしい。
内心、落胆しながら踵を返した。


「もし見掛けたら、私が探してるって言っといて」

「あ、了解ッス」


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