「遅くなってごめん!」
急いで階段を降りて玄関まで行くと、靴を履いて既に荷物を持った朔姫の姿があった。
その横にはにこやかな表情で、結祈が佇んでいる。
「おはようございます。あかね」
「おはよう!」
小走りしながら結祈に挨拶すると、出されている革靴を履いて軽く身なりを整える。
「えっと荷物荷物……」
「お荷物はこちらです」
「あ、ありがとう」
結祈から荷物を受け取ると、朔姫は玄関の扉を静かに開く。
青空とやや雲に隠れ気味の太陽の光が射す。
「いい天気ー」
「本当ね」
あかねと朔姫は空を見ながら互いに呟く。
これなら林間学校も楽しめる気がした。
「行きましょうか」
「うん!じゃあ行ってきます!」
朔姫の言葉に頷くと、振り返って自分達を見つめる結祈に手を振った。
「いってらっしゃいませ。楽しんで来て下さいね」
「うん!お土産買ってくるからね!」
「はい。楽しみにしてますね」
結祈の言葉を聞きながら、あかねと朔姫は黎明館を発った。
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