「……え?」
あかねは一瞬、耳を疑った。
今彼の話が出てくる事も予想外だったが、それよりも驚いたのは、この黎明館に招くという言葉。
――それはつまり……。
「問題点は少々あるものの、異能者としての資質は高い。その上、彼は教育者だからな。今後の人材教育に、大いに期待できると見込んだ結果だ。あとは直接本人の意志を聞いて、判断しよう」
聞きたい事を簡潔に、そして的確に教えるジョエル。
嬉しさと戸惑いがあかねの心情を支配する。
「良かった。でも、いいの?だって私……」
提案されてるということは、ジョエルはこちらの意見を汲み取るつもりなのだろう。
しかしリーデルではないあかねからして見れば、どことなく言いにくかった。
「確かに現時点で君はリーデルではない上、私が実権を握っているようなものだ。しかし私自身は、君をリーデルとして見ている。故に本来の立場で助言をしたまでのこと。最終的に決めるはお嬢さんだ」
淡々と告げられるジョエルの言葉には、やはりどれを取っても重みがある。
アーネストの言う通り、オルディネを支えてきたのは紛れもなく彼なのだろう。
その彼に庇護されてるのが、何だか嫌で歯痒くもあった。
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