なおも探るような視線に、臆することもなくジョエルはサングラス越しに男を見る。
「お前さんがそう言うなら、信じる事にしようかの」
「……」
「ところで……風の噂で聞いたのじゃが、お前さんがリーデル申請書を協会から取り寄せたとか」
「それは随分と早い風の噂だ。調べたのか?」
「お前さんは秘密裏に動く事が昔から得意だからのう。藍猫という情報屋は実に優秀だった」
ジョエルはそこで合点がいった。
藍猫。必ず手にしたい情報があるのなら、藍い猫を頼ればいいと言われるほど実績のある情報屋だ。
異能者達の悩み相談を設けてる良心的な部分もあるが、得る情報と引き換えにそれと同等の対価である情報を教えるか、多額の金額を払わなければならないという悪徳的な部分もある。
目の前の男は恐らく後者であろうが、余程私の動向を知りたがっていたのだと、ジョエルは内で嘲笑した。
「藍猫にそこまで調べてもらい、お前は何かを得れたのか?」
「どうだかのう。とりあえずお前さんがオルディネを存続させる為に、最後の悪あがきをしようとしてるぐらいしか分からなんだ」
「ならばそれ以上の詮索はしない事だな。ここから先、いくら調べようともお前には分かるまい」
「何故じゃ?」
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