それからしばらくして。
ジョエルを追い掛けながら、あかねは異能者養成所に着いた。
外観は自身の高校と似たような、どこにでもあるような学校の校舎だった。
「ようこそいらっしゃいました。ジョエル様」
出迎えたのは、正装をした穏やかそうな女性。
ここ養成所の職員か事務員なのだろうか。
「ああ。理事長はいるか?」
「はい。いつものお部屋でお待ちしております」
「そうか」
女性の言葉を聞きながら、ジョエルは後ろにいたあかねに視線を向ける。
「ということだ。君はどうする?」
「私?」
不意に尋ねられ、思わず首を傾げる。
「金魚の糞のように私の後を着いて回るか、校舎見学がてらに君の目的を遂行するか。忘れたわけではないだろう?」
「あ……」
――そうだった。
数日前。
あかねはアーネストと二人で出掛けた際、異能者養成所の事を教えられ、丁度赴く予定があったジョエルに頼み込んで、同伴させてもらっていた。
思い出せば出すほど、頼み込んだ時のジョエルの嘲笑うような憎たらしい顔と、発せられた皮肉に怒りが沸々と蘇る。
だがうまくいけば、オルディネに所属してくれる新たな異能者を見つけられるかも知れない。
そう思えば、ジョエルに対する感情など些細な事であった。
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