「もしかして、お嬢の彼氏かねぇ?」
「それはない」
断定する昶。
あかねの嫌悪ぶりからして、その関係はまずないと確信していた。
彼女を渦中の中へと巻き込み、追い詰めてるのは紛れもなくあの男であるからだ。
今日は用事があると言っていたが、あの男といるのを見る限り、チーム関連の用事なのだろうか。
認められなくても、やらなければならない事はあるのだろうと気の毒に思うのと同時に、去っていく後ろ姿は、まるで自分に向けられているようで、彼女を遠くに感じる。
同じ人であり異能者なのに。
「一条ー!香住ー!」
現実に引き戻されるように、前から佐々木の声が聞こえる。
「へいへーい!わぁってるっての!行こうぜ香住」
「……おう」
元気良く歩き出す一条。
あかねの姿に後ろ髪引かれるものの、自分を呼ぶ声に振り向き、一条の後に続くように歩き出した。
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