桜空あかねの裏事情


「んー……そうだなぁ」

「俺、実はいたりする。中学から付き合ってて来週で二周年」

「マジで!?」

「マジだ」

「おめでとー!」

「ありがとう」

「オレ様はいないぜ」

「うん知ってる」

「オレっちもいるんだ……昨日から」

「嘘だろ!?」

「嘘だけど」

「嘘かよ!」

「でも遠山さん可愛いよなぁ」

「可愛い確かに可愛い」

「いやいや、ここは山川さんだろ!」

「山川さんは綺麗系だろ」

「そうだね」

「なら間を取って清水さんじゃね?」

「それもいい」


再び会話が弾み、ひとまず安堵する昶。
ふと視線を外せば、見覚えのある姿が視界に移る。


「……あ」


交差点の向こう側に、あかねと以前会ったあの男の姿があった。


「香住ちゃーん?何見てんだよー……って」


昶の様子に気付いた一条は、視線を追うように交差点の向こうを見る。


「あれってお嬢?」

「ああ」


黒髪のボブに青い瞳。見間違えるわけがない。
しばらく見ていたが、どうやら例の男と何やら言い合っているようで、こちらに気付く事はなかった。


「お嬢ってなんか目立つな。つか隣にいるヤツ誰?めっちゃ黒ずくめだけど、社会人?」

「さぁな」


だが昶は知っている。
彼女の隣に立つあの男も、異能者だという事を。


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