桜空あかねの裏事情


「……なんだか途方もない気がします」

「ははっそんな大袈裟な。無所属の異能者は養成所や、異能者専用の求人募集とかで思ったよりいるんだよ」

「養成所?」


「そう。異能者の養成所」


初めて知るその事実に、あかねは目を白黒させながらも、アーネストの言葉を待つ。


「異能をコントロール出来ない子や、一般世間に馴染めない人やら色んな子達がいるんだ。一部例外はいるけど、大抵無所属の異能者だよ」

「へぇ……」


声を漏らすと、ゆっくりとドアが開いた。


「おまちどうさま。コーヒーとオレンジジュースだよ」


明るい声音で、湊志が飲み物を持って部屋へと入ってきて、それぞれの場所に飲み物を置く。
それにより沈みかけていた思考が途切れ、一時的に会話が中断される。


「ありがとうございます」


「どういたしまして。ふふ」


礼を述べると、湊志は不意に笑みと声を零した。


「湊志さん?」


気付いたあかねは、不思議そうに尋ねる。


「あ、ごめんね。アーネストが連れてくる子ってさ、大体があっち系の女性ばっかなんだけど」


具体的には言わないものの、言わんとすることがなんとなく分かってしまい、あかねはただ笑みを浮かべて黙って耳を傾ける。

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