あかねの心情を察してはいるものの、悪戯な笑みを浮かべるアーネストは、この状況を心底楽しんでるようだった。
そんな様子を見て溜め息を吐けば、彼は更に笑みを零して男の方へ視線を向ける。
「こちらも紹介するよ。彼はこのヴィオレットのオーナーにして、有名な占い師で愛妻家の沖田湊志くん」
沖田湊志(オキタ ソウシ)はあかねに向けて優しく微笑む。
「よろしくね。あかねちゃん」
「はい。こちらこそ、よろしくお願いします」
「ということで、奥の部屋は空いてるかな?」
一通り挨拶を終えたのを見計らい、アーネストは催促する。
湊志は、勿論と返せば案内し始める。
「まだお昼になったばかりだから、客はそんなにいなくてね」
湊志の声を聞きながら、ふと店の内装を見る。
外観に比べると、内部はかなり広く見える。
隠れた名店というよりも、高級レストランに近いかもしれない。
全体的にゆったりとした雰囲気が流れていて、尚且つ品のある店だった。
「と言っても、この部屋は今じゃ君達ぐらいしか使わないんだけど」
.

