桜空あかねの裏事情



「二人で…ですか?」


この場に結祈がいれば、恐らく彼の女好きに目くじらを立てるだろうが、あかねの頭に真っ先に浮かんだのはリーデルの事だった。


「君も察しがついてる通り、これからの事を考えようと思ってね。館の中じゃ誰か聞いてるか分からないしね」

「はぁ……」


どう答えていいのか分からず、曖昧に相槌をうつ。
反対派の人達に話を聞かれるのはいかがなものだが、与えられた自室で話せば問題無いような気がしなくもなかった。


「個人的には結祈の小言も少し控えたいし」

「小言……ですか?」

「最近多いんだ。リーデルは反対してても、君の事は好きみたいだからね。なんとかは争えないと言うけど、その通りだ」

「?……そうなんですか」


後者の意味合いは分からなかったが、アーネストの言いたい事は理解でき、あかねは追随をする事はなかった。


「それに君も話している間に、ジョエルの皮肉と嫌味を聞きたくないだろう?」

「絶対イヤです」


即答したあかねに、アーネストはクスリと笑みを零す。


「なら決まりだ。とりあえず昼食はまだだから、どこかに入ろう。行きたいところはあるかい?」

「いえ、特にないです」

「では私の行きつけの店に行こうか」

「はい!」


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