桜空あかねの裏事情


戸松駅 周辺


「悪かったね、あかね嬢。待たせてしまって」

「大丈夫ですよ。クラスの子と話してましたし」


二度目のメールを確認すると、すぐに教室を出て校門であかねは待っていた。
数分後、予告通りアーネストはやって来て、二人は合流して戸松駅周辺の細道を歩いていた。


「それと、いきなりメールしてごめんね。驚いたかな」

「別にいいですよ。ただ…」

「ただ?」

「私、アーネストさんにアドレスを教えてなかったと思うんですが。もしかして……」


相手の機嫌を損なうことのないように下手に聞けば、彼は笑みを浮かべる。


「そうだね。失礼ながら、私の異能を少し使わせてもらったよ」

「ああ……」


何となく予想出来ていたのか、思わず声を漏らす。


「私の異能は、情報収集及び対象の性質などを解析したり出来る能力でね。君のアドレスも容易に調べられるという事なんだ」

「そうみたいですね」


現にメールを送ってきたのだから、事実だろう。
アーネストの異能はある種の便利な能力だと思う。


「ちなみに今日は……」

「ああ、用件を言ってなかったね。今日は君と二人で話したかったんだ」


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