桜空あかねの裏事情


さも当然と言わんばかりの口ぶり。
彼の自信は、一体どこから溢れてくるのだろうといつも思う。


「確信があるのね。アンタがそこまで執着するのは初めて見るわ」

「執着ね……ある意味において、その言葉は間違ってはいないかも知れないな」


暗闇の中、背を向けているジョエルの表情は見えないが、少し声色が上がっている。
恐らく笑みを浮かべているだろう。


「相変わらず陰険。そんなんだから、ロリコンとか陰で言われるのよ」

「ロリコン……通称ロリータ・コンプレックスか。陸人には悪いが、そんな趣味はなくてな」


名前は出していないのに言い当てるということは、自分が嫌われている自覚は十分にあるのだろう。
無駄だと理解していても、分かっているのなら直せばいいのにとギネヴィアは一人でに思う。


「まぁ……もしお嬢さんが将来有望で、私を魅了するほどの魅惑的な女性になると言うのなら、考えなくもないが」

「ちょっと、変な考えは止めなさいよ」


嫌悪感を丸出しにして、非難の声を出すギネヴィアに、ジョエルは喉を鳴らす。


「クックッ……冗談だ。ちなみにその言葉は私でなく、アーネストに言うといい。何だかんだ言って、お嬢さんを大層気に入っているからな」

「ハァ?何でアタシが言わなくちゃいけないのよ」

「…昔の男だろう?」


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