黎明館 ジョエル自室
「…という事で、報告はこれで以上よ」
正午になる時間帯だが、部屋は相変わらず暗闇を思わせる。
そんな部屋でギネヴィアは淡々と、奥にある椅子に座る男に任務報告する。
書類に目を通し続けるジョエルは、聞き終わるとようやく口を開いた。
「そうか。現時点で動く様子は見られないという事だな」
「ええ。ただ妙な事が一つあるの」
「妙、とは?」
顔をあげることなく聞き返せば、ギネヴィアは思い出すように話し出す。
「直接忍び込んだワケではないから何とも言えないんだけど、ヤツらの話を聞く限り、どうやら幽閉されて子がいるみたい。なんだかオーナーのお気に入りだとか」
「……良い話ではなさそうだな」
「でしょうね。あそこは元々、あまり良い噂は聞かないから余計に怪しいわ」
「………ちなみに幽閉されてる者は異能者なのか?」
ジョエルの問いに、少し間を置いてギネヴィアは静かに頷く。
「……話を聞いた限りではそうなるわね。まぁ……必要な情報ではなかったかも知れないけど、一応それも報告しておくわ」
「いや、手札は多い事に越した事はない。ご苦労だったな。今日はもう下がれ」
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