「でもよく一緒にいるッスよね」
「ダチだから」
簡潔に述べれば、少年は口元に笑みを浮かべる。
「オトモダチね。いいの?」
「何が?」
「彼、異能者だよ」
その言葉にあかねは目を瞬かせる。
「知ってるの?」
「まぁね」
少年は変わらず笑顔を崩さない。
「俺、瀬々って言います。桜空さんのクラスメートで一個お隣に座ってるんスけど」
「……どうも」
「ちなみにこういう者でもありやす」
渡されたのは名刺のようなもので“藍猫新社員・瀬々悠”と書かれていた。
「あいねこ?」
「そう。主に情報屋だけど、異能者の相談も承ってるよ」
突然告げられた瀬々の言葉の真偽は分からないが、もしそうなら昶の事を知ってても可笑しくはないと瞬時に察するあかね。
「知りたい事、あるいは異能者の事で何かあったらいつでもどうぞ。場所は裏に地図が書いてあるから」
言われた通り名刺の裏を見ると、場所を示す地図が書いてあった。
しかしそれはあまりにも部分的過ぎて分からず、聞こうと顔を上げるが既に瀬々は教室の出入り口の方にいた。
「んじゃまたね。桜空さん」
有無を言わさず風のように教室から去っていく。
そして入れ違いと言わんばかりにメールが届く。
相手はやはりアーネストで“連絡ありがとう。もうすぐ学校に着くから待ってて”と書かれてあった。
――流石に昶と山川さんは、
――もう学校にはいないはず。校門で待とう。
あかねは鞄を持って教室を出た。
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