桜空あかねの裏事情



「山川さんは?まだ二日目だけど、友達出来た?」

「クラスの子達と話してはいるけど……そういうのはまだ分からないわ。積極的に話すのは得意じゃないから」

「そっか。じゃあ」

「え?」


あかねは朔姫の腕を掴んで、軽く引っ張りながら歩くと鈴のような声を零す。
しかしそんな事は気にせず、昶がいる席まで連れて行く。
彼の目の前に着くと、振り返って朔姫を見た。


「紹介します!こちらちょっと残念で変なダチの香住昶です!」

「よろしく!ってオイ!残念って何だ!?」

「適当に言ってみた」

「適当ってお前な……」


掛け合いをする二人に、驚いているのかついていけてないのか、若干困惑気味の表情を浮かべる朔姫。


「あのね山川さん。昶はね、昨日からあなたと話してみたかったんだって」

「なっ!?おまっ!余計な事をっ!」


僅かに頬を赤くして、慌てふためく昶を余所に、あかねは話を続ける。


「面白くて良いヤツなんだ。山川さんもきっと気軽に話せるよ」

「あかね…!」


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