「よし!そうとなれば行動開始だ!知り合いに異能者に詳しいヤツはいるか?」
「ジョエルやアーネストさん達以外は……………あ」
言い掛けたその時、ある人物が浮かび上がる。
その人物は不機嫌そうな顔をして無愛想だが、よく見知っていて心を許せる相手だった。
「いない事はないかも知れない。ただ……」
――素直に教えてくれるかどうか。
何とも言えない表情から悟ったのか、昶が心配そうに尋ねる。
「……微妙なヤツなのか?」
「まぁね」
「でも聞いてみる価値はあるんじゃね?」
「うん。学校終わったら取り敢えず電話してみる」
それで話は一区切りついたかと思われた。
「……それとさ」
「うん?」
「今更だけど、そのチームってヤツ。オレでも入れんの?」
「多分。どのチームにも所属してないなら」
その言葉に、昶は何か考え出したのか口を閉ざす。
不思議に思い顔を覗き込めば、初めて会った日にも見せた何かに傷付き怯えたような表情をしていた。
陽気で人の気持ちを察する事に長ける彼が、時折見せる表情にあかねは疑問を抱いていた。
それが一体何を意味するのか分からないが、恐らくそれは彼が隠し背負っているものなのだろう。
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