「え……」
「リーデルだって……!?」
朔姫と陸人から驚愕の声が上がる。
その反応にあかねは驚くよりも戸惑って、周囲を見遣る。
――リーデルって何?
初めて耳にしたその単語。
当然ながらその意味が分かるはずもなく、ただ困惑するほかなかった。
助けを求めるように、自分の隣に座るアーネストを見つめるが、彼は微かに眉根を寄せながらジョエルを見ていた。
「どういう事よ」
あくまで冷静さを欠かないように努めているギネヴィアでさえも、非難に近い声を上げる。
「聞こえなかったのか?そこに座っている小娘が、リーデルだと言ったんだ」
そう言い切ってジョエルはあかねに目配せをする。
しかし一方のあかねは、周囲の反応と言葉の意味を未だ理解出来ておらず、困惑の色を浮かべながら押し黙っていた。
「聞いてたわよ。アタシが聞いてるのは理由よ」
ついにギネヴィアは立ち上がって抗議する。
理不尽な命令よりも、それを下したジョエルの真意を聞き出したい様子だった。
「理由?そんなものはない。ただ何も知らない小娘が、リーデルになったら退屈しのぎにはなりそうだと思ったまでだ」
あくまで自分の欲望を満たすためという理由に、ギネヴィアは絶句する。
その表情は次第に怒りが帯び始めた。
「何よそれ……そんなのアンタのワガママじゃない」
「我儘?何を言うかと思えば、勘違いも甚だしい。彼女をリーデルに置けば、君達の安全もより保証されると言うのものだ。一石二鳥だろう」
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