「・・・起きた?」

「んっ・・・」

 ここ、どこですか。

 起き上がろうと手をつくと、シーツのすべっとした感触がある。



 自分の部屋のベッドの上?


 頭を少し振って部屋をぐるっと見回す。

 
 白いクローゼット。

 お気に入りのクッション。


 ハンガーにかけられた、高校の制服。



 うん、自分の部屋だ。


「お、兄ちゃん・・・?」

「お前、昨日ブっ倒れたの」

「え・・・あ・・・」

「昨日は悪かった。皆言ってたよ」

「・・・あれは、夢ですか・・・?」

「・・・・・・ドッキリだよ」

 お兄ちゃんはフっと笑ってそんな言葉を発する。


 ドッキリ・・・?


 それはあれか。

 あー皆で私を驚かせようと。


 あはは・・・そうなのか。


「ヒドイね。お兄ちゃんたち」

「・・・ちょっと子供ぽかった?」

「かなり」

「悪い悪い。だから昨日のことはナシな」

「うん」


 私は、お兄ちゃんに手を引いてもらって起き上がった。


 昨日のがガチだったら、これから接することに困るもんねー。



 
「・・・あー・・・・・・嘘ってバレてないよな」