「美味しくてビックリした」

「マジ? じゃ、オレも食べる」

 巧くんとお兄ちゃんも席について、オムライスを口に運んだ。

 そして2人とも、似たような笑顔で笑う。


「「美味い」」


 重なった2人の声と、笑顔が嬉しくて。

 私は笑顔を返した。


 また作りたいな。

 こんなに喜んでもらえるなら。



 私の中で何かがキューっとこみあげてきた。


「あ、悠斗。1つ質問があるんだけど」

「ん? 何。翔」

「もし、男と女の兄妹がいて、男と女で血が繋がってなかったら・・・結婚とかって出来んの?」

「真面目な顔して何聞いてくると思ったら・・・。血が繋がってないなら、出来るんじゃないか?」

「よし、分かった。て、ことで・・・」

「て、ことで?」

 翔ちゃんが、イスから降りて。

 トコトコと私の方へ歩いてくる。


 そして、すっごく真面目な顔をして私の手をスっととった。



「雪。オレと付き合って」